2011 Fiscal Year Annual Research Report
半導体高分子のナノ空孔膜を利用した有機薄膜太陽電池の創製
Project/Area Number |
22750100
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
東原 知哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50504528)
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Keywords | ブロック共重合体 / 自己組織化 / イオン結合 / 有機薄膜太陽電池 / ポリチオフェン / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
縮合的連鎖重合法により、鎖末端にアミノ基を有する完全頭尾結合型ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)、さらにリビングアニオン重合法により、鎖末端にカルボン酸またはスルホン酸を導入したポリスチレン(PS)の合成に成功した。これらをトルエン中でブレンドすることでイオン結合性のロッド-コイル型ブロック共重合体を合成することにも成功した。イオン結合性ブロック共重合体薄膜の相分離観察をAFM、TEM、及び微小角入射X線回折(GIXRD)により観察したところ、16nmの平均周期長を有するナノファイバー状の構造が確認された。続いて、少量のトリエチルアミンを加えた酢酸エチルでPSドメインの選択除去を行った後、AFM、SEM、GIXRDにより解析を行った。その結果、16nm及び386nmの平均周期長を有するP3HTナノ多孔質膜が得られたことが分かった。386nmの大きなドメインは、高いアスペクト比(約5)により、溶解エッチングの際に結晶性P3HTドメインが凝集したために形成されたものと推察された。 P3HTのナノ構造制御の観点から、P3HTを含むブロック共重合体は、現行のP3HT/[6,6]-Phenyl-C_<61>-Butyric Acid Methyl Ester(PCBM)を用いたバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池デバイスの界面活性剤として有効であることも分かった。P3HT及び側鎖にピリジル基を有するポリチオフェンから成るABブロック共重合体やポリ(4-ゼニルトリフェニルアミン)を有するABAブロック共重合体は、P3HT/PCBMのエネルギー変換効率の向上と長寿命化に寄与することを見出した。
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