2010 Fiscal Year Annual Research Report
過渡分光法による共役高分子ヘテロ接合界面での電荷分離、再結合過程の解明
Project/Area Number |
22750109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辨天 宏明 京都大学, 工学研究科, 助教 (60422995)
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Keywords | 機能性高分子 / 有機太陽電池 |
Research Abstract |
共役高分子のヘテロ界面における電子移動過程の詳細はその学術的重要性にも関わらず明らかになっていない。本研究では分子レベルで構造の明確なヘテロ界面を構築し、そこでの電荷分離と再結合ダイナミクスを薄膜測定に特化した高感度過渡吸収分光法により実時間で観測し、界面における電子の振る舞いを明らかにすることを目的とする。 平成22年度は高分子ヘテロ界面の構築と構造評価を中心におこなった。電子受容性材料にフラーレン誘導体、電子供与性材料に共役高分子を用いて、積層型電荷分離界面を構築した。熱架橋性の置換基を有するフラーレン誘導体を新規に合成し、フラーレン薄膜作製後に熱架橋することで、有機溶媒に不溶のフラーレン薄膜を得ることに成功した。得られた薄膜表面の平均凹凸は1nm程度であり、分子レベルで平滑な表面である。さらに、フラーレン薄膜上にスピンコート法により共役高分子を積層し、電荷分離界面を構築した。ここで、それぞれの膜厚は10nmの精度で制御可能である。蛍光スペクトル、蛍光寿命測定から蛍光消光率を評価した結果、積層界面において電荷分離反応が起こっていることが示唆された。また、蛍光消光率は積層膜に対して熱アニールをおこなってもほとんど変化せず、分子拡散による相互間入が抑制された明確なヘテロ界面が構築できたといえる。 平成23年度は過渡吸収分光測定により、界面電子移動反応の測定、解析、評価をおこなう。
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Research Products
(1 results)