2011 Fiscal Year Annual Research Report
高電荷密度イオン性高分子の創成と新奇機能性ゲルの開発
Project/Area Number |
22750111
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
長 昌史 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (50332721)
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Keywords | 高分子物性 / イオン性高分子 / 水溶液 / 相挙動 / 機能性ゲル / 希薄溶液物性 / ポリフマル酸 / ポリフマル酸誘導体 |
Research Abstract |
まず、大津らの方法によってポリフマル酸ジイソプロピル(PDiPF)をラジカル重合により合成し、分別沈殿法によって分別精製した試料を準備した。塩酸または水酸化ナトリウムを使ってPDiPF側鎖のイソプロピルエステル基を加水分解し、高電荷密度イオン性高分子であるポリフマル酸(PFA)を得ることを試みたが、残念ながら加水分解は進行せずPFAは得られなかった。PDiPFの側鎖エステル結合をカルボキシ基に変換させるために、PDiPFを求核試薬であるtrimethylsilyl iodideやpotassium trimethylsilanolateと反応させる方法も試みたが、いずれの方法でもPFAは得られなかった。 そこで、同じく大津らの方法によってポリフマル酸ジ-tert-ブチル(PDtBF)を合成し、それを分別精製した試料を準備した。PDtBF試料を180℃で2時間加熱し、側鎖のtert-ブチルエステル基をカルボキシ基に変換させることにより、PFAを得ることに成功した。PFAの生成は^1H NMR測定によって確認した。 PFAの研究を進める上で必要となるPDtBFの分子物性に関する情報を得るために、分別精製したPDtBF試料について良溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)中30℃において、静的光散乱測定および粘度測定を行い、重量平均分子量、第二ビリアル係数、固有粘度を決定した。その結果を、以前に報告したPDiPFに対する結果と比較したところ、PDtBFはPDiPFと同様に、剛直な高分子であることを明らかにした。さらに、PDtBFはPDiPFに比べて側鎖置換基の嵩高さが高いために、剛直性がより大きくなっていることおよびTHFとの親和性が若干低くなっていることを示した。 PFAのゲル化のための予備的実験として、ポリアクリル酸市販試料のglycerol diglycidyl etherまたはpoly (ethylene glycol) diglycidyl etherを用いた架橋反応によるゲル化を試行し、PFAのゲル化のために必要な情報の蓄積を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能性ゲルの材料となるポリフマル酸(PEA)およびPEAの前駆体ポリマーであるポリフマル酸ジ-tert-ブチル(PDtBF)の調製方法は確立している。したがって、PDtBFの特性解析とPEAのゲル化実験を進める段階に来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリフマル酸ジ-tert-ブチル(PDtBF)の特性解析およびポリフマル酸(PFA)のゲル化実験を推進する。PFAのゲル化実験では、まずポリアクリル酸市販試料を用いたゲル化の予備実験の経験を十分に蓄積した後に、PEAの最も有効なゲル化に取り掛かる予定である。
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