2011 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟性金属錯体を吸着剤として用いた二酸化炭素の完全分離への挑戦
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22750114
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野呂 真一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70373347)
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Keywords | 金属錯体 / 銅イオン / 二酸化炭素分離 |
Research Abstract |
二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化ガスのなかでも最も温暖化の影響度が大きなガス(60.1%)として知られており、その分離回収は環境問題・資源問題の観点から早急に開発されるべき課題である。本研究では、CO2と特異に相互作用し、構造柔軟性を付与できる含フッ素アニオンを有する金属錯体を吸着材料として用い、ゼオライトや活性炭などの従来の吸着材料では実現困難な各種混合ガス中からのCO2の完全分離を目指した。平成23年度はPF6アニオンとCF3SO3アニオンが共存した混合アニオン型1次元銅金属錯体の系統的合成、X線回折測定・熱分析・分光測定・SEMによる結晶構造評価、及びCO2その他ガス吸着特性の評価を行い、(1)単一アニオンから構築される金属錯体の特性の単なる足しあわせでは説明できない新規なCO2吸着挙動を観測し、(2)アニオン比によってCO2その他ガスの吸着開始圧を連続的に制御できることを明らかにした。したがって、アニオン混合化によってガス吸着空間の超精密制御が可能であることが見出された。さらに、他のアニオン(BF4, CH3SO3, (CF3SO2)2N, SO4)を含む同様の1次元銅金属錯体を合成・単結晶構造解析によってその詳細な結晶構造を明らかにし、アニオン分子の種類によってCO2吸着特性が劇的に変化することがわかった。今後は、アニオンのさまざまな組み合わせを行い、室温付近におけるCO2吸着特性のオンデマンド制御を目指す予定である。
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Research Products
(11 results)