2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型超分子カプセルによるゲスト分子包接の制御
Project/Area Number |
22750125
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山中 正道 静岡大学, 理学部, 准教授 (10377715)
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Keywords | 超分子 / カプセル / 水素結合 / 配位結合 / 自己集合 / キャビタンド / 包接 / NMR |
Research Abstract |
水素結合と金属-配位子の配位結合を駆動力としてハイブリッド型超分子カプセルを構築し、形成される孤立したナノキャビティーへのゲスト分子の包接と、外部刺激に応答したゲスト分子の動的挙動の解析を目的として研究を行っている。本年度は、配位結合部位としてピリジルエチニル基、水素結合部位としてベンズアミド基を有するキャビタンド分子の合成と、金属錯体との自己集合によるカプセル構造の構築、さらにはカプセルへのゲスト分子の包接について検討を行った。既知化合物であるテトラブロモキャビタンドより、パラジウム触媒によるクロスカップリングを鍵反応として四工程で目的のキャビタンドを合成した。このキャビタンドと二価のパラジウム錯体を混合すると、自己集合によりハイブリッド型超分子カプセルを形成した。カプセルの構造については、各種NMRスペクトルの解析と質量分析スペクトルにより確認することができた。続いて、分子モデリングの結果より適切と思われる約二十種類のゲスト分子を用い、ハイブリッド型超分子カプセルへの包接を検討した。その結果、トランス-ジメチルスチルベンなど五種類のゲスト分子において、包接を確認することができた。さらに、ゲスト分子を包接したハイブリッド型超分子カプセルの詳細な構造を、低温における二次元NMRの解析したところ、カプセル単独では高い対称性を有していたにも関わらず、ゲスト分子の包接によりその構造にねじれが生じていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)