2011 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン代替を指向した3次元構造を特徴とする電子受容性材料の創製
Project/Area Number |
22750127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80362622)
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Keywords | 有機エレクトロニクス / 有機電界効果トランジタ / 薄膜型有機太陽電池 / 電子輸送性材料 / 共役系分子 / 構造物性機能相関 |
Research Abstract |
本研究は、機能性材料を指向した新規π共役分子を開発することを主目的としており、具体的には薄膜系有機太陽電池に適した電子輸送性半導体材料の開発を目的としている。有機エレクトロニクス材料への応用に向けたπ共役分子の開発が活発に行われており、これらの化合物を用いた有機電界効果トランジスタ、薄膜型有機太陽電池への応用研究が注目されている。これらの有機素子における材料開発に着目すると、キャリアが正孔であるp型半導体材料が実用域の性能まで得られているのに対して、電子であるn型半導体材料はπ共役分子の還元種が本質的に不安定なため開発途上の段階である。とりわけ、有機太陽電池に適したn型半導体材料は実質フラーレン誘導体のみの状況であり、実用に向けたスケールアップ合成の困難さや高価格の観点から新機軸の材料が切望されている。この状況において、本研究では薄膜系有機太陽電池においてフラーレンが有効に機能するのは、良好な電子輸送特性に加えて、異方性のない球状構造が光電変換特性の発現に寄与していると仮説をたて、3次元構造を特徴とする電子受容性分子の開発を昨年度より行っている。今年度は電子受容性部位には我々が見いだした新規電子輸送性部位を用いて、テトラフェニルメタン骨格を利用した3次元化合物を系統的に開発した。合成した化合物の電子吸収スペクトル測定、蛍光測定、サイクリックボルタンメトリー測定から、3次元構造の構築に伴う物性変化を明らかとした。また電子移動度評価および光電変換特性評価を実施し、作業仮説を実験的に実証することに成功した。
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Research Products
(12 results)