2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750133
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
今井 喜胤 近畿大学, 理工学部, 講師 (80388496)
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Keywords | 超分子 / 蛍光 / 円偏光発光 / CPL / 円偏光二色性 / 光学活性 / キラル / 有機発光体 |
Research Abstract |
ディスプレイにおける3次元(3D)表示技術として円偏光発光(CPL)が注目されている。一方、開発手法としては、環境に低負荷な手法に基づく材料開発が求められている。、本研究では、合成的手法を最小限に抑え、機能の異なる2種類の単分子(発光性分子と光学活性分子)をコンビナトリアム的に組み合わせ、超分子・錯体化させることにより、CPL特性を有する光学活性超分子有機発光体の開発を試みた。一般的に、光学活性材料のキラリティーに基づく光学特性を反転させるには、逆のキラリティーを有する光学活性分子を用いる。本研究では、光学活性アミン分子として(R)-1-phenylethyl amine[(R)-1]を、発光性カルボン酸分子として4-(4-methyl-phenylethynyl)-benzoic acid (2)及び4-(4-fluoro-phenylethynyl)-benzoic acid(3)を用い、新しいπ-共役拡張光学活性起分子有機発光体の創製に成功した。まず、(R)-1/2系超分子錯体(I)のX線結晶構造解析を行ったところ、構成分子(R)-1と2は、水素結合及びイオン結合による1次元カラム構造を構築していた。錯体は、この1次元カラム構造が、集合することにより形成していた。同様に、(R)-1/3系超分子錯体(II)も、構成分子(R)-1と3は、同様の1次元カラム構造を構築していたが、パッキング構造に違いがみられた。固体CPL特性について検討するため、固体CPLスペクトルを測定したところ、錯体IとIIでは、スペクトルの符号が反転していた。これは、錯体におけるパッキング構造の違いに由来していると考えられる。このように本研究では、用いる光学活性分子のキラリティーの反転ではなく、アキラルな発光性分子の種類を変えることにより、発光体の構造を変化させ、CPLの符号を反転させることに成功した。
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Research Products
(4 results)