2011 Fiscal Year Annual Research Report
結晶面選択的金属イオン修飾による反応場分離型光触媒の可視光応答化
Project/Area Number |
22750139
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 直也 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10452822)
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Keywords | ナノ材料 / 環境材料 / 触媒・化学プロセス / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
昨年度の研究結果においては,ナノロッド形状を有するルチル型酸化チタンロッドの特定の露出結晶面のみに鉄イオンを修飾することによって,可視光照射下において高い光触媒活性が得られることを明らかにした.今年度は,結晶形の異なるアナタースおよびブルッカイト型酸化チタンの露出結晶面の表面形態制御を行い,これらに鉄イオン修飾を行うことによって可視光応答型酸化チタン光触媒のさらなる高活性化を試みた. アナタース型酸化チタンにおいては,これまでの研究成果により得られている十面体酸化チタンの調製法を改良することによって,十面体形状を有する酸化チタンの粒子サイズを25~60nmの範囲で制御することに成功した粒子サイズが最適化された粒子の紫外光下におけるアセトアルデヒド分解反応の光触媒活性は,従来の酸化チタン光触媒よりも大幅に高い性能を示した.しかしながら,鉄イオン修飾による可視光応答化性能はルチル型ナノロッドに比べ低いものであった. ブルッカイト型酸化チタンにおいては,既報の調製法を改良することによって,アスペクト比の異なるナノロッド形状の粒子を得ることに成功した.また,特定の露出結晶面のみに鉄イオンを修飾することにより,ルチル型ナノロッドと同程度の高い光触媒活性が得られた.その光触媒活性はブルッカイトナノロッドのアスペクト比が変わることによって変化することを明らかにした.これは鉄イオン修飾サイトの比率が変わることに起因していると考えられる.
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