2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNAナノ構造体を活用したタンパク分子のナノアレイ化と酵素反応の単分子解析
Project/Area Number |
22750144
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
葛谷 明紀 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (00456154)
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Keywords | DNA / ナノ構造体 / DNAナノテクノロジー / DNAオリガミ / 酵素 / 一分子観察 / ナノデバイス |
Research Abstract |
本年度は、DNAオリガミ構造体に酵素一分子と金ナノ粒子4粒子を決まった配列に並べ、酵素から生成した産物を還元剤として用い、金ナノ粒子上で無電解メッキができることを実際に確認できた。 上記に加え、本研究で培った知見に基づき、DNAオリガミ法を活用して真に機能するナノメカニカルデバイスの構築することにも世界に先駆けて成功した。まず、長さ約170nmのレバー二本が支点で結合されたペンチのような形状のナノメカニカルデバイスを設計、作成した。それぞれのレバー先端部にターゲットと相互作用するリガンドを結合しておくことで、二本のレバーが協同的にターゲット分子を捕捉し、開いたペンチ形状から閉じたペンチ形状へと全体構造を選択的に変形させることに成功した。原子間力顕微鏡を用いてこの変化をイメージングすることにより、ターゲットの存在を一分子ずつ分子レベルで視覚的に検出することができた。レバー部に導入するリガンドを種々変えることで、原子量数十の金属イオンから分子量数万のタンパクまで、幅広いターゲット分子をただ一つのナノメカニカルデバイスを使って単分子レベルで検出することに成功した。 また一段階の構造変化しか観察しなかった初期の系では、抗体-抗原反応のような強い結合を作るターゲットしか一分子捕捉による検出対象とすることができなかった。この問題を解決するために、二段階での構造変化を誘起する系も構築した。二種類目のターゲットを用いてあらかじめペンチを閉じておき、本来のターゲットのリガンドを近接させておくことで、弱い相互作用しかできない分子でも一分子のみでペンチを閉じておくことに成功した。
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Research Products
(9 results)