2011 Fiscal Year Annual Research Report
ターンオーバー可能な人工アミノアシルtRNAの創成
Project/Area Number |
22750146
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大窪 章寛 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60376960)
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Keywords | RNA合成 / アミノアシルtRNA / ホスホロアミダイト法 / アミノ酸 / 固相合成 |
Research Abstract |
本研究課題は、非天然アミノ酸を有するアミノアシルtRNAを使って、酵素の触媒部位を有機化学的知見に基づいて改変し、今まで触媒できなかった反応までも進行させることのできる"スーパー人工酵素"の構築を最終目標とする。その中で今回は、これまでに開発してきた「核酸塩基部に保護基を用いない核酸合成法」を発展させ、アミノアシルtRNA合成酵素を使用しなくても自由に目的のtRNAに非天然アミノ酸を付加することのできるタンパク質合成システム(ターンオーバーシステム)の構築に重点を置いてきた。 人工tRNAライブラリー構築のためのアミノアシルRNA化学合成では、昨年の検討結果より、通常の核酸合成で行う3'→5'方向の鎖伸長ではなく5'→3'の鎖伸長を行う必要があった。そこで、昨年に引き続き本年も、塩基部無保護RNA5'-ホスホロアミダイトユニットおよび、中性条件下切り出し可能なシリルリンカーを介してリボヌクレオシドの5'水酸基を結合させた固相担体をそれぞれ合成した。さらにこれらを用いて鎖伸長反応を行うことで、塩基性条件下不安定なアシル化RNAオリゴマーの合成ができることがわかった。現在では、別途合成した長鎖RNAと組み合わせ分割アミノアシルtRNAが機能するかを検討中である。 また、フェニルホウ酸のオルト位にアミノメチル基を導入することで、リボースのcis-ジオールとの間で形成するホウ酸エステルを水中においても非常に強く安定化することがわかった。このフェニルホウ酸残基をオリゴヌクレオチドへ導入し、現在、分割アミノアシルRNAがターンオーバーするシステムが機能するかをあわせて確認を行っている。
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Research Products
(5 results)