2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塚本 眞幸 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (10362295)
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Keywords | 天然物有機化学 / 環状ジアデニル酸 |
Research Abstract |
平成22年度の研究実績の概要は、次のとおりである。 (1)環状ビス(3'-5')ジアデニル酸(以下、c-di-AMPと略す)の液相合成法を開発した。まず、市販のホスホロアミダイトを出発原料として、5'-水酸基が無保護のヌクレオチドとの縮合反応を検討した。その結果、活性化剤として酸・アゾール複合体を、ホスファイトトリエステルの酸化剤として、tert-ヒドロペルオキシドを用いると、高い収率で鎖状二量体が得られることが明らかとなった。次に、鎖状二量体の3'-末端のリン酸トリエステル基の部分的脱保護を行い、それによって生じた3'-末端リン酸ジエステルと5'-末端水酸基との縮合(分子内環化反応)をトリエステル法により行い、c-di-AMP保護体を得た。最後に、このものの脱保護を行い、標的化合物を合成した。所期目標を達成することができた。 (2)c-di-AMP中のリン酸ジエステル基をジチオリン酸ジエステル基に変換した誘導体の合成に向け、その構築単位となる3'-H-ホスホノチオエート体の合成を検討した。まず、アデノシンから4段階で、基質となる3'-水酸基が無保護のヌクレオシドを合成した。ついで、このヌクレオシドから3'-H-ホスホノチオエート体への変換の条件検討を行った。その結果、ピリジン中、塩化ピバロイルを縮合剤に用い、トリエチルアンモニウムホスフィネートを作用させた後、硫黄と反応させることにより、目的化合物が得られることが明らかとなった。 今後、関連化合物の生理活性探索を推進する上で、重要な結果を得ることができた。
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Research Products
(5 results)