2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750155
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
開發 邦宏 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (70419464)
|
Keywords | 核酸 / 転写制御 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
H23年度はGFPをコードしたプラスミドDNAの転写開始部位の下流にプリン塩基の連続配列を導入した。そして、プラスミド上に導入したポリプリン配列に対してワトソン-クリック塩基対、およびフーグスティン塩基対により三重鎖を形成できる2つのピリミジン連続配列からなるPNA鎖を架橋したヘアピン型ペプチド核酸を設計した。 プラスミドDNA上の標的配列に対してヘアピン型PNAを作用させたときの会合挙動を確認したところ、ヘアピン型PNAのピリミジン連続配列が10塩基以上になると、標的核酸配列に1つ目のヘアピン型PNAが配列選択的に結合した後、もう1分子のヘアピン型ペプチド核酸が配列非特異的に結合してしまうことがゲルシフトアッセイ、および質量分析によりあきらかになった。そこで、ヘアピン型PNAを構成するポリピリミジン配列の塩基数を15~5塩基まで変えたところ、ポリピリミジンが9塩基である場合にDNA:PNA=1:1で結合することがわかった。本検討により、DNAとヘアピン型PNA間の非特異的結合に対する課題を克服できた。 次に、HeLa細胞内にヘアピン型PNAの標的配列を含むGFP発現プラスミドをトランスフェクションして、細胞内においてGFPが安定に発現することを確認した。そこで、ヘアピン型PNAとGFP発現プラスミドを同時にHeLa細胞ヘトランスフェクションしてGFPの発現を評価した。その結果、ヘアピン型PNAにより細胞内でのGFP遺伝子の発現レベルが抑制されることは確認できた。そこで次年度は細胞内のGFP発現をヘアピン型PNAによりコントロールすることを目指す予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相補DNAとの効率的に会合体を形成するヘアピン型PNAの分子構造の最適化を検討した。そして、ヘアピン型ペプチド核酸の2つのPNA鎖間に約18Aのリジッドな構造を持つリンカーであるアゾベンゼンを導入するとDNAに対する会合能が向上することを見出した。 一方、次年度に予定している緑色蛍光タンパクをコードするプラスミドの転写開始領域下流にヘアピン型ペプチド核酸の標的配列を導入し、細胞内におけるGFP発現を確認し、ペプチド核酸によりGFPの発現を抑制することを確認した。以上のことから、当初の計画通りに研究を推進できたと評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、GFP遺伝子にインフルエンザウイルスのヘマグルチニン蛋白(HA)の遺伝子をコンジュゲートしたキメラ蛋白をコードしたプラスミドを作成する。さらに、GFPの転写開始領域に結合するヘアピン型ペプチド核酸を蛍光ラベル化したものを細胞内にトランスフェクションし、細胞内におけるヘアピン型ペプチド核酸の局在とそのGFP・HA蛋白の発現制御能を検証する予定である。
|
Research Products
(5 results)