2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合性分子モーターの開発とそのらせん構造制御
Project/Area Number |
22750159
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桑原 俊介 東邦大学, 理学部, 講師 (40359550)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 分子マシン / 分子モーター / DNA / 光異性化 |
Research Abstract |
DNAは遺伝子発現を制御する重要な生体高分子である.一方,DNAはその特異な高次構造からナノマシン,ナノデバイスなどへの応用も期待されている.従って,DNAの高次構造を自由に制御することができれば,生命科学分野に留まらず材料科学分野など幅広い分野へのブレークスルーとなると考えられる.本研究では,核酸塩基に近い構造を備え,光照射で一方向の回転をおこすDNA結合性分子モーター(1)を開発する.分子モーターをDNAの核酸塩基対間にインターカレートさせ,光照射により分子モーターを回転させる.その回転運動をDNAのらせん構造に伝え,DNAの高次構造を自在に変化,制御することを目的とした. 分子モーター1の合成を以下に従って行なった.2-アミノ-3,5-ジブロモピリジンと1,3-シクロヘキサンジオンとの縮合反応によってエナミン(2)とした後,パラジウム触媒を用いた分子内環化反応によって環状ケトン(3)を得た.ケトン3の二級アミンをMPM基で保護した後,ケトンのα位のメチル化,McMurry反応を行い,二量体であるtrans-4,cis-4をそれぞれ得た.trans-4,cis-4の構造はX線結晶構造解析により決定することができた.trans-4のBuchwald-Hartwig反応によりイミン中間体trans-5とした後,ヒドロキシルアミンを作用させ,アミンtrans-6を得ることができた.trans-6のMPM基の脱保護反応を種々検討したが,最終目的物であるtrans-1得ることができなかった.一方,trans-6,cis-6とB-DNAとの結合をCDスペクトルにより調べたが,明確な相互作用は確認できなかった. 以上,本研究によって複素環型分子モーターの前駆体trans-6,cis-6の合成とその構造決定に成功した.今後,trans-9 の新たな脱保護法の検討が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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