2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体界面での電荷移動を用いたキャリアドープの実現
Project/Area Number |
22750163
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
合志 憲一 九州大学, 工学研究院, 助教 (50462875)
|
Keywords | 有機半導体界面 / キャリアドーピング / 電荷移動 |
Research Abstract |
有機エレクトロニクスにおいて、有機半導体へのドーピングは様々な物性を発現させるために重要な技術であると考えられる。そこで、有機単結晶/有機薄膜界面における電荷移動(CT)によるキャリアドーピング法の確立及びその基礎物性について研究を行った。 Rubrene単結晶/Acceptor(MoO_x,F_6-TNAP,HAT-CN)界面における導電率はそれぞれσ_<interface>=0.16,0.03,0.21S/cmを示した。使用したAcceptorのLUMO(最低空軌道)準位はそれぞれ5.7,5.4,5.4eVであるので、F_6-TNAPがHAT-CNよりも低い値を示す原因として、LUMO準位由来ではないと考えられる。そこで、単結晶/有機薄膜の表面構造に関して、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて検討した。その結果、単結晶表面上のF_6-TNAPは結晶性が非常に高く連続的な薄膜を形成してないことがわかった。従って、F6-TNAPの単結晶上の被覆率の低さが界面の低導電率の原因と考えられ、有機単結晶界面へのキャリアドーピングにおいて、Donor、Acceptor材料の被覆率が重要な因子であることが示唆された。次に、Acceptor薄膜の被覆率を向上させるために、Donor:Acceptor共蒸着膜によるキャリアドーピングについても検討した。加えて、Rubreneより強いDonor性材料であるPentaceneとの共蒸着膜によるキャリアドーピングについても検討した。Rubrene単結晶/Donor:Acceptor共蒸着膜上の表面構造に関してAFMで観察した結果、単結晶上の共蒸着膜には連続的な薄膜を形成していることが確認された。加えて、Donor:Acceptor共蒸着膜の導電率の増加に対して、界面の導電率が増加する結果が得られた。本研究において、共蒸着膜によるドーピング法で、導電率~1.0S/cmを実現した。
|