2011 Fiscal Year Annual Research Report
大気下安定n型有機FETを実現する有機ヘテロ界面キャリア輸送
Project/Area Number |
22750166
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中山 健一 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20324808)
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Keywords | 有機トランジスタ / 有機FET / 大気下安定 / n型 / 有機半導体 |
Research Abstract |
これまで我々は、有機ELなどに用いられるホール輸送材料(=ドナー性材料)と、n型有機半導体材料を積層した有機電界効果型トランジスタ(有機FET)において、n型有機FETで一般的に悪いとされる大気下の安定性を著しく改善できることを見いだしている。 今年度は、昨年度から検討を開始したアクセプター性材料/p型有機半導体の積層型有機FETにおける大気下安定性を検討し、その結果を電子的効果(界面における電荷のやりとりによる効果)と薄膜構造への影響による効果に切り分けて考察した。その結果、p型FETにおいてはアクセプター層のLUMOと、時間経過時のしきい値シフト量との間に相関が見られ、LUMOが深い場合にはプラス側(ノーマリーON側)にシフトし、LUMOが浅い場合にはマイナス側(ノーマリーOFF側)にシフトすることが分かった。この特性を利用して、界面層に適度なLUMOレベル(3.5eV程度)の材料を用いることにより、しきい値シフトを抑えて大気下安定性を向上させることが可能であることが分かった。 また、有機ELにおける電荷発生層の概念を有機FETに展開するために、サンドイッチデバイスにおける電荷発生層の挙動について詳細に検討した。具体的には、既に良好な電荷発生層であることが分かっているAlq3/A1/HAT-CN/NPDの積層有機薄膜を注入がブロッキングとなる電極で挟み、純粋に電荷発生に由来するキャリアの量を温度・電界依存性と共に測定した。これにより、電荷発生層によるキャリア濃度の増加が熱的励起によるものなのか電界誘起による電荷分離なのかを検証する枠組みを確立した。
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[Presentation] アセンビスイミドの合成と半導体特性2011
Author(s)
勝田修平, 田中和樹, 丸屋侑大, 森重樹, 増尾貞弘, 葛原大軌, 奥島鉄雄, 宇野英満, 中山健一, 山田容子
Organizer
第22回基礎有機化学討論会
Place of Presentation
つくば国際会議場(茨城県、つくば市)
Year and Date
2011-09-22
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