2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起局所加熱と温度分布制御によるガラス内部の組成分布変化現象の解明
Project/Area Number |
22750187
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂倉 政明 京都大学, 学際融合教育研究推進センター, 特定専門業務職員 (90402958)
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Keywords | ガラス / レーザー加工 / フェムト秒レーザー / 元素組成分布 / 液晶空間光変調器 / 温度圧力分布 / ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、ガラス中にフェムト秒レーザーパルスを集光照射して非線形光イオン化を局所的に引き起こし、そこで発生した熱を利用して組成変動を局所的に引き起こすことである。従来の方法では、集光スポットが1点のみであったために、ガラスの組成変動の制御の自由度が少なかったが、本研究では、空間光変調器を利用した多点光励起によって、より高い自由度で温度の空間分布を制御できるようにし、温度分布・冷却速度と組成分布変化の関係をより詳細に明らかにできることを目指した。当該年度では、温度分布の評価、多様な温度分布・冷却速度を制御するレーザー照射システムの構築を行い、それらの応用した実験を行った。 当該年度の成果としては、(1)液晶空間光変調器を用いた多点同時レーザー照射システムを構築し、低繰り返しでの多点光励起と高繰り返しの光励起を同時に行えるようにし、温度と圧力の空間分布の制御が可能になった。また、それによってアルカリ含有シリケートガラスにおいて、シリコンの組成比が高い領域が形成することを確認した。また、このレーザー照射システムを用いて、複数の光導波路の同時描画や光強度分布の制御を行った。(2)レーザー照射中の様々な温度分布の時間変化を明らかにするために、偏光子と波長板と高感度CCDカメラを用いたレーザー照射および観察系を作製した。これにより、高繰り返しフェムト秒レーザー照射中および照射停止直後の応力の時間変化、レーザー照射によって生じる応力波の時間変化、温度分布の時間変化が明らかになり、ガラス中の組成分布が変化する基礎的な情報を得ることが可能になった。
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