2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750190
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶原 浩一 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (90293927)
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Keywords | シリカガラス / 液相合成法 / 光機能化 |
Research Abstract |
前年度、シリカガラスへの希土類イオンの溶解を促進する元素としてリンを選択し、これまで報告例のない、希土類イオンをSiに対して2mol%と高濃度に含み、かつ透明性に優れた希土類イオン-リン共ドープシリカガラスの合成法を確立した。Tb^<3+>-リン共ドープ試料において確認された明るい緑色発光について詳しく調べるため、発光寿命測定を行った。発光減衰曲線は単指数関数的であり、また発光寿命はTb^<3+>イオン濃度に依存せず一定であった,一方、Tb^<3+>イオンを単独ドープした場合は発光寿命が大幅に短くなり、かつ発光減衰曲線も単指数型から大きく外れたことから、リンの共ドープによって希土類イオンを効果的に溶媒和できることが確かめられた。また、リンとならんで希土類イオンの溶媒和を促進する元素として知られているアルミニウムに本研究課題の液相合成法を適用し、希土類-アルミニウム共ドープシリカガラスも従来の手法に比べて短時間で合成できることを確認した。 本研究課題の目標のひとつは、シリカガラスの液相合成の際に多用されてきたアルコールをはじめとする共溶媒を使用せず、かつ亀裂のないバルクシリカガラスを得るために従来使用されてきた高濃度の酸や高分子などの添加剤も不要な低環境負荷プロセスを開発することであったが、その過程で、シリカガラスの合成に用いてきた4官能アルコキシドの代わりに、Siに有機官能基が1つ結合した3官能アルコキシドを用いて無共溶媒合成を行うと、一般式RSiO_<3/2>で表される有機無機ハイブリッド液体が得られることを見出した。この一般式を有する材料(ポリシルセスキオキサン、PSQ)はほとんどの場合固体であるが、これが液体として得られたことで、成膜、成形、他の試薬との混合などが容易になり、その利用価値が広がると期待される。Rとしてアルキル基を有するPSQ液体からは紫外透明性に優れたPSQガラスが合成できることを示した。
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Research Products
(12 results)