2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750193
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山内 悠輔 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (10455272)
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Keywords | メソポーラス材料 / 白金 / 金 / 合金 / メタノール酸化反応 / グルコースセンサー |
Research Abstract |
自己組織化によりナノ規則配列した超分子鋳型によるメソポーラス金属の合成は,従来にない反応場を利用した高反応性電極・高活性触媒を具現化するための画期的手法であり,非常に期待される新規ナノ材料である.メソポーラス金属は,骨格が金属のみから形成し電気伝導性の高い多孔体であり,従来の無機酸化物系メソポーラス物質とは異なる応用が期待される.本研究では,組成・構造・形態の精密な制御を展開し,高い表面積を持つ反応触媒担体電極・二次電池用電極や化学センサー等の電気化学系デバイスや金属触媒等への応用をターゲットにする. 平成23年度は,メソポーラス金属の薄膜化,及びその応用を研究の目標にした.従来のメソポーラス金属薄膜の細孔方向はランダムであり,薄膜におけるメソチャネルの配向性を制御することは,材料をより精緻に設計する上で非常に重要であり,それらの実現に向け強磁場などの外場プロセスなど様々な手法を試してきたが,金属薄膜中のメソ細孔の配向制御までには至らなかった.しかし,白金のみならず,他の金属と合金化する手法の一般化には成功し,初めてメソポーラス白金・金合金薄膜の合成に成功した.メタノール酸化反応の結果,通常のメソポーラス白金と比較しても,CO被毒があまり起こらず,長時間高い活性を維持することが可能となった.また,グルコースセンサーの初歩的な検討も始めており,通常の無孔質白金薄膜と比較して,およそ20倍以上のセンシング能力があることも初めて分かってきた.
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