2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22750203
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金森 主祥 京都大学, 理学研究科, 助教 (60452265)
|
Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 多孔体 / ゲル / 付加・縮合 / 炭素材料 |
Research Abstract |
平成23年度の研究では、前年度までのリビングラジカル重合を用いたモノリス状多孔体・炭素化の研究を拡張し、付加縮合系における多孔性架橋高分子の作製・炭素化などの検討を主に行った。付加縮合系としてメラミン(M)-ホルムアルデヒド(F)系(MF系)を選定し、得られる多孔構造の制御や炭素化における細孔特性・構成元素の変化を調べた。MF系に的を絞った理由としては、近年、高容量化が期待できる窒素ドープカーボン多孔体に注目が集まっていることが挙げられる。MFゲルから得られる炭素材料は、その多環芳香族構造中にヘテロ原子として窒素を含み、擬似キャパシタとしての高容量化が報告されている。窒素ドープカーボン前駆体となる高分子として様々なものが提案されているが、中でもメラミン-ホルムアルデヒド(MF)樹脂系は幅広い細孔構造制御の可能性があり、その炭化物は、高容量・高機能性電極として期待できる。しかしながら、比較的古くから知られている系にもかかわらず、MF系における精密な細孔構造制御に関する報告はほとんどなされていない。本研究では、出発組成や添加剤、付加・縮合の両反応時における触媒(酸・塩基)を最適化することで、数十ナノメートルから数マイクロメートルの間で幅広く細孔サイズを制御できることを明らかにした。MFのみからなる架橋樹脂は炭素化時において発泡がみられ、整った細孔構造が乱れてしまうが、合成前駆体としてレゾルシノール(R)を少量添加することで発泡を防ぎつつ炭素化することができた。X線光電子分光測定により、得られた炭素中には窒素が含まれることが明らかになり、電気化学デバイスへの応用が期待される。
|