2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 晴比古 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10451626)
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Keywords | 結晶成長 / 電場印加 / 核形成速度 / タンパク質 / 電気二重層 |
Research Abstract |
ゲノム創薬やテーラーメイド医療を現実にするためには、「タンパク質の核形成をどのように促進させるか」という困誰な問題を解決しなければならず、このような問題を解決することのできる新しい結晶育成技術の開発が望まれている。 そこで、本研究は、申請者が最近報告した交流電場印加による卵白リゾチーム結晶の核形成速度の制御(H. Koizumi et al., Cryst. Growth & Des. (2009).)において明らかとなった実印加電界強度(860V/cm)と熱力学的に算出される制御に必要な電界強度(10^4V/cm)の二桁にも及ぶ差を異種界面において形成される電気二重層の存在により説明し、交流電場印加によるタンパク質結晶の新しい育成技術を開拓することを目的とした。 本年度は、沈殿剤による電気二重層の厚さの変化による核形成速度への影響を調べた。結果として、用いる沈殿剤のイオン強度の増加にしたがって核形成速度への電場印加の効果が大きくなることが観察された。これは、用いる沈殿剤のイオン強度の増加と共に電気二重層の厚さが薄くなり、電気二重層によって発生する電界強度が大きくなったためと考えられる。また、異なる沈殿剤により得られた核形成速度への電場印加の効果の大きさは、イオン強度よって見積もられる電界強度から期待される効果の大きさとよく一致しており、このことは電気二重層の存在を示しているものと考えられる。
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Research Products
(3 results)