2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的偏光制御特性を有する液晶電気化学発光セルの開発
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22760009
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 道則 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (90325944)
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Keywords | 液晶 / 電子化学発光 / 偏光発光 |
Research Abstract |
液晶電気化学発光(ECL)セルにおいて高い偏光発光が得られる有機蛍光色素の探索とその選択指針を見出すために,種々の色素材料を用いた場合におけるフォトルミネッセンス(PL)特性およびECL特性の比較検討を行った。はじめに複数の色素材料をネマティック液晶に混入し,ホモジニアス配向セルを作製しその偏光PL特性を測定した。次にくし形電極を用いて液晶ECLセルを作製し,偏光ECL特性を評価するとともに偏光PL特性と比較した。その結果,PLとECLの偏光度には高い相関が認められ,PLの偏光度が高い色素ほど,ECLの偏光度も高いことが明らかとなった。PLの偏光度が高い色素ほど,分子形状が棒状に近く,液晶の配向秩序の低下が抑制されており,その結果としてゲストホスト効果により色素分子も比較的配向しているものと考えられる。なお,ECLの偏光比はPLの偏光比よりも10~20%程度低くなることが明らかとなった。 次に,液晶ECLセルから偏光発光を取り出す工夫として,微細な傾斜基板構造の導入を検討した。これにより,色素分子を素子面に対して斜め方向に傾けたまま発光させることができる。微細な傾斜基板(傾斜角:45°)の表面に陽極としてPEDOT,陰極としてAl電極を設けて液晶ECLセルを作製し,その発光特性を評価したところ,1.3程度の偏光比の発光を確認することができた。この偏光比は,従来得られているくし形電極構造の場合の偏光比と同程度である。更なる偏光比の改善は,微細な傾斜基板の傾斜角を増すことにより達成可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に則り,種々の色素をドープした液晶電気化学発光セルの発光特性の評価を行い,高い偏光比が得られる色素についての知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標である,動的偏光制御が可能な液晶電気化学発光セルについての検討に着手する。具体的には,コレステリック液晶をホスト材料とした液晶電気化学発光セルを構成し,円偏光発光の向きの電気的なスイッチング機能の発現に向けた検討を行う。
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Research Products
(1 results)