2012 Fiscal Year Annual Research Report
動的偏光制御特性を有する液晶電気化学発光セルの開発
Project/Area Number |
22760009
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
本間 道則 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (90325944)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液晶 / 電気化学発光 / 偏光発光 |
Research Abstract |
動的に円偏光発光状態を切り替えることができる液晶電気化学発光(ECL)セルの実現を目指して,まずカイラル剤をドープしたネマティック液晶を用いて作製したセルの発光を評価し,次の知見を得た。(1)液晶としてn型ネマティック液晶であるMLC-6608(メルク)を用い,異なるカイラル剤(CB-15およびS-811,メルク)を溶解させた試料を用いて発光強度を比較したところ(蛍光色素:ルブレン),CB-15の方が高い輝度(~10 cd/m2)を示した。これは,CB-15のシアノ基がラジカルイオンを安定化させたためと推測される。(2)MLC-6608にCB-15を溶解させた試料にルブレンを~1wt%混合しPLとECLのスペクトルを測定したところ両者は概ね一致した。これにより発光はルブレンの一重項励起子に基づくと考えられる。(3)ECLの偏光特性を評価するために,円偏光板としてのコレステリック液晶セルを介してECLスペクトルを測定したが,右回りおよび左回り螺旋のコレステリック液晶セルを用いた場合でのスペクトル変化はわずかであった。この結果から,発光における右回りおよび左回り円偏光の偏りは非常に小さく,これは液晶層を移動するイオンによって液晶分子配向の螺旋構造が消滅したためと考えられる。 直線偏光発光が得られる液晶ECLセルの実現を目指してn型液晶(MLC-6608)にルブレンを1wt%ドープしたセルを作成し,発光の異方性を評価した。その結果,わずかに偏光した発光が得られた。しかし,偏光度は1.1と非常に小さく,この場合もまたイオンの移動によって液晶の分子配向状態が乱され,その結果として偏光が低くなったと考えられる。以上のように,ネマティック液晶を用いる場合,イオンの移動の影響が大きくなるために一様な配向状態が乱されやすいという普遍的な問題点が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)