2010 Fiscal Year Annual Research Report
高圧熱処理技術によるアパタイト薄膜の作製と組成制御による新機能探索
Project/Area Number |
22760014
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中根 茂行 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料信頼性萌芽ラボ, 主任研究員 (40354302)
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Keywords | 新機能材料 / アパタイト |
Research Abstract |
本研究では、超臨界流体を用いた成膜技術を開発し、その技術を用いて生体材料の分野で注目されているハイドロキシアパタイト(HAp)やその関連物質の薄膜化を目指している。また、HApが、非常に多種多様なイオン置換が可能な物質である点にも注目して、試料作製技術を確立した後には、この物質の新機能性材料としての可能性を検討したいと考えている。 上記の目標に対し、昨年度の研究で得られた知見、成果は以下の通りである。(1)超臨界二酸化炭素を反応場とする試料作製装置を開発した。(2)開発した超臨界装置を用いて、生体親和性の高いTiO_2の粉体作製に成功した。(3)上記実験で得たノウ・ハウを基に、HApの粉体作製にも成功した。(4)HAp粉体は、上記の実験とは別に、水熱合成法での作製条件も見出した。(5)水熱合成法では、部分的な元素置換を行ったHAp関連物質の作製にも成功した。(6)超臨界装置を改良して、独自の成膜装置を開発することに成功した。(7)開発した超臨界成膜装置を用いてガラス基板上にTiO_2を成膜することに成功した。 超臨界二酸化炭素を用いた酸化物試料の作製、特に薄膜試料の作製は、世界的に見ても実施例が少ない。したがって、(1)(2)(3)(6)(7)は、国内でも希少な超臨界成膜装置の開発過程である。特に(3)は、非常に希少であり、この成果を(7)に結実させることができれば、本研究の一つの目的を達成し、生体材料分野に新たなコーティング技術を提案することができる。これは非常に有意義な成果として期待できる。
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