2010 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体を用いた深紫外LED・深紫外LDの開発
Project/Area Number |
22760017
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤川 紗千恵 独立行政法人理化学研究所, テラヘルツ量子素子研究チーム, 基礎科学特別研究員 (90550327)
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Keywords | LED / AlGaN / Si基板 |
Research Abstract |
波長250-350nm帯の深紫外高輝度LEDは、医療、殺菌・浄水、生化学産業、高演色LED照明、高密度光記録、ダイオキシンやPCB、NOxガスなど公害物質の高速分解処理、バイオ工学、各種情報センシング等の大変幅広い分野での応用が期待されている。Si基板は、サファイア基板より安価であるため、低価格の紫外線光源を実現できる可能性があるが、波長350nmより短いSi基板上の深紫外LEDの報告例はない。InAlGaN4元混晶は、Inを含む混晶の物性的特長から、転位密度の増加に伴う発光効率の低下が緩やかな為、高効率紫外LEDの実現に有利であると考えられる。本年度は、低コストの深紫外線光源実現の為、減圧有機金属気相成長法(LP-MOCVD)を用いて、Si(111)基板上に280nm帯InAlGaN量子井戸深紫外LEDの作製を行った。試料構造は、Si(111)基板上にアンモニアパルス供給多段AlN成長法を用いて、クラックフリーなAlNバッファー層上にn型AlGaN層、InAlGaN/InAlGaN : Si2重量子井戸層、p型InAlGaN電子ブロック層、p型InAlGaN層、p型InGaNコンタクト層を成長させたものを用いた。試料を室温連続動作において、EL発光スペクトルの測定を行った。その結果、室温連続動作において284nmのシングルピークを観測した。今回、Si基板上の280nm帯InAlGaN深紫外LEDの実現に成功し、殺菌用途波長において、Si基板を用いた安価な深紫外LEDが実現可能であることを初めて示した。
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Research Products
(9 results)