2010 Fiscal Year Annual Research Report
固・液電極界面における電気化学反応機構解明の基礎研究
Project/Area Number |
22760023
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
米村 雅雄 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任准教授 (60400602)
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Keywords | 中性子 / 反射率 / 界面 |
Research Abstract |
本研究はエレクトロケミカルデバイスにおけるイオン導電体と電解質等の異なる物質で発生する界面を介して物質が移動する。これまで理論的には電気二重相モデルにて理解されてきた。本研究では実際のイオン移動や電荷交換などの電気化学反応を理解することを目的としている。 本年度はモデル電極の作成と界面状態観察・分析手法用のその場観察用中性子反射率用電気化学セルの開発を行った。20x20mmのSTO(SrTiO_3)基板に対して、PLD方により電極材料をエピタキシャル成長させた薄膜を均一に成膜する条件を探索しだ。その結果、結晶方位を制御することに成功した。X線反射率測定のout plane, in plane測定によりエピタキシャル膜であることを確認し、条件により結晶方位、膜厚が制御できることを見出した。さらに中性子反射率用電気化学セルを開発した。ダイフロンと呼ばれるテフロンよりも透明度が高く硬く、加工性に優れながら、中性子散乱の妨げとなる軽水素を含まない材料を用いた。基本となる電気化学測定を試験したところ、基本的な電気化学反応応答が観測され、一般的なセルと同様の電気化学特性を得られることを確認した。また、中性子線を用いたテスト測定を実施した。その結果、セルの形状を微調整することが望ましいことが判明した。来年度、この加工を行う。概ね、本年度の期間で、モデル電極と中性子反射率測定用セルの両方の開発を行うことができ、来年度、その場観察が可能な環境を整えることができた。
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