2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小倉 正平 東京大学, 生産技術研究所, 技術専門職員 (10396905)
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Keywords | 表面拡散 / 走査トンネル顕微鏡 / モンテカルロシミュレーション / 金 |
Research Abstract |
本研究では走査トンネル顕微鏡を用いた原子追跡法により金属表面における単原子の拡散頻度を直接測定し,拡散における吸着子間相互作用を明らかにすることを目的としている.さらに吸着子間相互作用を取り入れたモンテカルロシミュレーションプログラムを開発し,島密度の温度依存性から従来得られている異常に低い頻度因子の起源を明らかにすることを試みる.本年度は原子追跡STMのソフトウェアの改良と,吸着子間相互作用を取り入れたモンテカルロシミュレーションの開発を行った.原子追跡法は走査トンネル顕微鏡の探針を表面吸着原子の真上で回転させ,原子が拡散した際のトンネル電流変化の位相を検出し,探針が常に注目している原子の真上にくるようにフィードバックをかけ,探針の位置を時間に対して記録することで原子の拡散頻度を求める手法である.これまでに開発した原子追跡STM用のソフトウェアでは測定速度が足りないという問題があったために,ソフトウェアの再開発を行い必要な速度で動作することを確認した.またこれまでに開発した薄膜成長のモンテカルロシミュレーションプログラムに,他のAu原子からの距離に依存した拡散障壁を取り入れたシミュレーションプログラムを開発した.Au原子が他のAu原子に近づく際にある距離で付加的な拡散障壁を感じるようにすると島の密度が上昇することを明らかにした.付加的な拡散障壁を感じる距離を変化させると,同じ拡散障壁でもその距離が長くなるにつれて島の密度が大きくなることがわかった.しかしシミュレーションで得られた島密度の温度依存性から平均場核形成理論を用いて拡散障壁と頻度因子を求めると,頻度因子は付加的な拡散障壁がない場合よりも高く算出され,実験で得られた低い頻度因子を再現できないことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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