2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規非線形結晶BNAを用いた未踏テラヘルツ波領域(10?30μm)の開拓と応用
Project/Area Number |
22760034
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮本 克彦 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 助教 (20375158)
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Keywords | テラヘルツ/赤外材料・素子 / 量子エレクトロニクス / 光源技術 |
Research Abstract |
本研究は、新規有機非線形光学結晶BNA(N-benzyl 2-methyl-4-nitroaniline)の物性値等を明らかにし、極限まで使いこなす事で、未踏波長領域10~30μm帯の高効率テラヘルツ波発生を行う事を目的としている。特に、本年度は、BNA結晶を実際に用いた高効率テラヘルツ波発生と、高繰返しテラヘルツ波発生のための励起2波長光源の最適設計および開発を行う事を目標とした。 昨年度までに、BNA結晶の透過率・吸収係数・減衰係数の同定から、複素屈折率の算出を行いコヒーレンス長計算により最適位相整合条件の見積を行った。このデータを元に、本年度は実際にBNA結晶を用いた差周波発生によるテラヘルツ波発生を行った。励起2波長をパラメータとすることで、広帯域にわたる各発生テラヘルツ周波数の出力マッピング測定を実現できた。これにより、最適位相整合条件を実験的に導出することが可能であったため、各発生周波数の最適励起2波長のルックアップテーブルを完成することに成功した。実際、発生周波数11.6THzにおいて従来の10倍の出力を得る事に成功した。 上記、テラヘルツ波発生実験後、入射ピーク強度と出力の関係から励起光源の高繰返し化の設計を行った。MHzパルス繰返しに合わせた励起2波長光源の出力スケーリングを行うためには、励起レーザーの最適化が必須条件である。特に、励起2波長光源は波長変換により実現させるため、トレードオフの関係にある高繰返し化と高ピークパワーを同時に実現させることが非常に重要である。励起レーザーの高出力化と、テラヘルツ波発生用の励起2波長光源の出力スケーリングを交互に行う事で最適設計を可能にした。
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