2010 Fiscal Year Annual Research Report
共振器内差周波混合による高効率テラヘルツ波発生に関する研究
Project/Area Number |
22760037
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澁谷 孝幸 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 研究員 (30509568)
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Keywords | テラヘルツ波 / 差周波混合 / イントラキャビティ / 有機非線形光学結晶 |
Research Abstract |
本研究課題では,共振器内(イントラキャビティ)差周波混合により,有機非線形光学結晶DASTを用いた高効率テラヘルツ波発生を行うことを目的とした.従来の差周波混合によるテラヘルツ波発生はシングルパス励起であるため,結晶の吸収ロスにより発生効率が頭打ちとなっていた.本研究課題で提案する方式では,共振器内部に結晶を配置するため,マルチパス及び高強度の励起が可能であり,実効的な相互作用長の増加も伴ってテラヘルツ波出力の増大が期待できると考えられる.本年度は,現有のKTP-OPOを改造して共振器内差周波テラヘルツ波発生の基礎検討およびテラヘルツ波発生実験を行った. まず,結晶内ウォークオフの低減効果をもつL字キャビティ共振器を構築し,差周波励起光発生用の縦列配置KTP結晶とともに共振器内光軸上にDAST結晶およびDAST結晶の損傷を防ぐための532nm光カットフィルタを配置してテラヘルツ波の発生を試みた.テラヘルツ波の外部取り出しには穴あき放物面鏡を用い,検出には4K動作のシリコンボロメータ検出器を用いた. 結果,DAST結晶及び532nm光カットフィルタが共振器内部に配置された場合でもKTP結晶によるパラメトリック発振の阻害とならないことを確認し,テラヘルツ波がDAST結晶の両面から発生していることを確認した.さらに,出力スペクトルを計測し,従来型光源と同様のスペクトル形状であることを確認した.
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