2011 Fiscal Year Annual Research Report
導波路型の光パラメトリック増幅器を用いた連続波スクイーズド光の高レベル化の研究
Project/Area Number |
22760044
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
政田 元太 玉川大学, 量子情報科学研究所, 准教授 (80439538)
|
Keywords | スクイーズド光 / パラメトリック過程 / 導波路 / 量子エンタングルメント / 量子テレポーテーション |
Research Abstract |
スクイーズド光とは量子揺らぎが圧搾(スクイーズ)された極めて雑音の少ない光であり、量子演算を実現するための光源として重要である。本研究の目的は導波路型の光パラメトリック増幅器を用いた高レベルな連続波スクイーズド光の生成技術の開発を行うことである。導波路スクイーザーの研究はスクイーズド光生成部の小型化、高帯域化のみならず、将来、光チップ型の量子演算回路を実現するための要素技術として必須である。長期的な展望としては、スクイーズド光を使った量子テレポーテーションの演算回路を、導波路素子で構成された光集積回路で実現したいと考えている。 本年度はスクイーザーである導波路型の周期分極反転構造を有するLiNbO3素子を用いて、波長860mmにて連続波スクイーズド光の生成実験を行った。セルフホモダイン測定の手法により-2.5dBのスクイージングレベルの観測に成功した。一般的に導波路から発せられた光波の空間モードはマルチモードである。今後はスクイーズド光の空間モードの解析を行うことにより生成効率および測定効率を改善し、さらに高レベルなスクイーズド光の生成実験を行う。 導波路素子を使って量子テレポーテーションを行うためには、スクイーズド光を用いてEPRビームを生成するための技術開発も重要である。本年度は外部の光パラメトリック発振器で生成した2つのスクイーズド光を、導波路干渉計で合波およびバランス型ホモダイン測定を行うことにより、EPRビームの生成および検証実験に初めて成功した。将来的には導波路型スクイーザーと導波路干渉計の技術を融合させることにより、量子テレポーテーションの全ての演算プロセスを導波路素子内部で実現することも可能と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験作業が計画的に遂行されているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はスクイーズド光の空間モードの解析を行うことにより生成効率および測定効率を改善し、さらに高レベルなスクイーズド光の生成実験を行う。
|