2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大出力レーザーのためのジグザグアクティブミラー増幅器の開発
Project/Area Number |
22760046
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Research Institution | Institute for Laser Technology |
Principal Investigator |
古瀬 裕章 (財)レーザー技術総合研究所, レーザーエネルギー研究チーム, 研究員 (50506946)
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Keywords | Yb:YAG / コンポジットセラミックス / 定常熱流法 |
Research Abstract |
本研究の目的は複数のYb:YAGセラミックスを用いた一体型増幅装置(ZiZa-AM : Zig-zag Active-Mirror)を開発し、次世代大出力レーザーのための基礎データを構築することである。最適な増幅装置を設計するためには異なるYbドープ量のセラミックスを用意し、分光特性・熱伝導率等の物性値を幅広い温度領域で調査する必要がある。平成22年度はドープ量2%,5%,9.8%,20%のYb:YAGセラミックスの準備と、4K~300Kの温度範囲で各物性値を測定する準備を行った。また、ドープ量9.8%で統一した小型ZiZa-AMの製作を先行して行い、発振特性・増幅特性・熱特性を調べた。 熱伝導率の測定には片方から定常的に熱を与え、試料に生じた温度勾配を熱電対で測定することにより熱伝導率を求める定常熱流法を採用し、長さの異なる3種類のセラミックスを用いて条件出しを行っている。一方、作製した小型ZiZa-AMは台形柱のアンドープYAG上下面にYb:YAGセラミックス3枚を交互に貼り付けた形状にした。励起光とレーザー光は斜面から入射し、媒質内をジグザグに伝搬する。励起光の吸収量を調整するためにYb:YAGディスクの厚みを100,・190・290μmに調整した。横多モードで発振特性を調べた結果、最大出力214W、光変換効率50%を得た。横単一モードの種光を用いた増幅試験では励起密度が少ないため最大利得1.8に留まったが、熱による影響は一切なく高品質を維持していた。今年度得られた成果は学術論文1件に掲載されており、その他国際会議1件、国内会議3件で関連する内容の報告を行った。今後は異なるドープ量の物性データを用いて、平均出力10kW以上の大出力レーザーに最適な設計を行う。
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