2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大出力レーザーのためのジグザグアクティブミラー増幅器の開発
Project/Area Number |
22760046
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Research Institution | Institute for Laser Technology |
Principal Investigator |
古瀬 裕章 (財)レーザー技術総合研究所, レーザープロセス研究チーム, 研究員 (50506946)
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Keywords | Yb : YAG / コンポジットセラミックス / 熱伝導率 / 寄生発振 / 熱解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、独自の増幅方式を用いてコンパクトで高出力・高効率・良ビーム品質の全てを満たす理想的な光源を開発することである。医療・加工産業・宇宙・新エネルギー技術等、多分野における活用が期待できる。レーザー媒質にイッテルビウムを添加したYAG(Yb:YAG)セラミックスを用いる。またYb:YAGは100K以下に冷却することでその特性が著しく向上するため、液体窒素で低温冷却して用いる。近年Yb:YAGセラミックスの製造技術が向上し、0.3%-20%の領域で多くの添加濃度が可能になった。しかしながら、各添加濃度における熱特性、分光特性が明らかになっていない。本研究はこれらの物性値を室温から極低温の広範囲で明らかにし、得られた値に基づいて理想光源を開発するものである。 平成23年度の研究計画は、多段増幅試料(ZiZa-AM)の製作および発振・増幅試験を行う期間であったが、これは平成22年度に先行して行い論文発表済みである。一方平成22年度に行う予定であった各種物性値の取得が完全ではなかったため、特に熱伝導率に集中して測定を行った。熱伝導率の測定には定常熱流法を採用し、高精度で測定するための準備を長期間に渡り行った。現在、ドープ濃度9.8%の試料に関して50-300Kの温度領域での熱伝導率を取得済である。この温度領域では低温になるにしたがって熱伝導率の向上が観測されている。今後はドープ濃度0%、2%、5%、20%の試料に関しても測定を行う予定である。 さらに増幅器設計で特に重要となる増幅特性、寄生発振閾値、熱特性(温度上昇、波面歪、熱複屈折)等を詳細に測定し、基礎データの構築を行った。また得られた成果に基づいて、10kW級出力が可能な次世代大出力レーザー増幅器の概念設計を行った。
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