2011 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域・広角度プラズモニック集光体を用いた薄膜系光電変換システムの創出
Project/Area Number |
22760047
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
岩長 祐伸 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端フォトニクス材料ユニット, 主任研究員 (20361066)
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Keywords | 光電変換素子 / プラズモニクス |
Research Abstract |
本年度はプラズモニック構造における固有状態を明らかにすることをさらに推し進めて基礎的な知見の充実を図ったことに加えて、プラズモニック集光体を有する光電変換素子の数値的な設計を重点的に実施した。実用を視野に入れて、加工における工程の簡素化と稀少元素を使わないなどのコスト面、技術面での要請を満たすように設計を行うことは単純な構造探索アルゴリズムだけではなしえないことであり、総合的な考察のうえに設計を実施した。これらの設計は実際の光電変換素子の作製時に直接生かされるものである。実際の設計においては、電極としての機能を同時に持たせる事が可能な構造のなかから、可視光から近赤外光域にわたる広い波長域において集光効果を得るための構造を見出した。この構造は広い波長範囲かつ広い入射角度範囲で80%を超える吸収率を示しながら、入射光の偏光依存性が生じないように考慮されたもので、これまでの報告例にあるプラズモニック集光体と比較して、広帯域・広角度で機能するより良い構造に到達したことは一つ明示的な成果であると考えている。光吸収率のようなマクロな量に加えて、典型的なプラズモニック結晶においてミクロな電磁場増強効果も詳細な第一原理解析を実施し、論文2報、著書2件のなかで発表した。国内向けの情報発信として日本語解説記事の3件発表し、成果の国内還元にも努めた。また、学会発表などを通じての研究成果の発信にも努め、計5件(内登壇発表4件)の発表を行った。
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Research Products
(13 results)