2012 Fiscal Year Annual Research Report
半導体微粒子と金属ナノ構造が一体となった系からの表面プラズモン誘導放射と応用
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22760050
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 俊博 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90451715)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ランダムレーザー / 表面プラズモン |
Research Abstract |
平成24年度は、本研究課題の目標である、半導体微粒子ランダム媒質・金属ナノ構造からの局所領域からのレーザー発振現象の検討を行った。半導体ランダム媒質である、酸化亜鉛(ZnO)微粒子(粒径200nm)内に、金属ナノ構造として、直径10nmの銀微粒子を混合させ、実験を行った。ここで、ZnOのバンド端発光のエネルギー(3.17eV)と、銀ナノ粒子の局在型表面プラズモンの共鳴帯(3.10eV)はほぼ一致しており、両者の強い結合が期待できている。この系において、銀ナノ粒子の混合割合が比較的、低濃度の場合においてZnOからのランダムレーザー発振のしきい値の減少が確認できた。さらに、銀ナノ粒子の混合割合を増加させると、発振エネルギーが高エネルギー側にシフトする現象が確認できた。発振しきい値の減少は、プラズモンとZnOの励起子とのカップリングにより、ランダムレーザー内に構成されるランダム共振器の特性が改善(散乱効率の向上)したためと考えられる。また、発振エネルギーのシフトは、プラズモン共鳴吸収により、ZnOの利得関数が変化し、高エネルギーシフトしたためと考えられる。以上のように、本研究で作製した実験系において、ZnOの励起子と銀ナノ内の表面プラズモンとの強いカップリング状態からのレーザー発振の実現に成功した。本研究の成果から、表面プラズモン効果により、ランダムレーザー発振の特性を制御が可能であることを示唆している。また、現状では、実験装置の分解能等の影響により詳細な空間イメージングを行うことはできなかったが、本研究の半導体微粒子・金属ナノ構造系において、レーザー発振時の局所領域、特にナノ構造周辺域からの発振を確認することで、表面プラズモン効果によるナノレーザーの実証が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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