2010 Fiscal Year Annual Research Report
電磁スピニングシステムによる超高粘性領域の迅速・広帯域粘弾性スペクトル測定
Project/Area Number |
22760052
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
細田 真妃子 東京電機大学, 理工学部, 講師 (40366406)
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Keywords | 回転粘度計 / 粘性 / 高粘性 / スペクトル測定 / 粘弾性 |
Research Abstract |
現有のシステムでは向かい合う2個一組の永久磁石をモータによって試料の周りを回転させることにより回転磁場を生成していたが、ここから定置した一組の永久磁石と、電流により磁場の向きと大きさを制御することができる電磁石を組み合わせた電磁駆動型EMSの作製を試みた。粘性が10^3Pa・sのシリコンオイルを標準試料として用い、性能の確認を行った。 回転子として半径1mmのアルミ球を用いると、球の最大回転角速度は10^<-4>rad/sの程度であり、例えば100Hzの振動磁場に対する角度変化は10^<-6>rad/s、赤道の移動距離は1nmとなる。この微小な変化量の測定を実現するために、レーザースペックル測定を試みた。アルミニウム球に下からレーザー光を照射すると、表面のわずかな凹凸のためにファーフィールドにおいて反射光にスペックルパターンを生じるため、球の回転によるこのスペックルパターンのその移動から球のわずかな動きを測定した。 さらに振動の高周波化で微小振幅を測定するために、光パターンの変化に非常に敏感な光学測定手法・センサを用い、印加信号との同期から位相敏感検波するロックインアンプを組み合わせて行った。このシステムにより、当初10^3Pa・sの粘性標準の100Hzまでの粘弾性スペクトル測定を行った。ゼロ周波数極限では粘性はフィッティングパラメータなしでその絶対値を決定することができるため、これをもって装置の精度の評価を行うことができ、高精度で粘性を測定できることを確認した。
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