2011 Fiscal Year Annual Research Report
数理工学を駆使した簡便で高精度・高効率な新しい構造物健全性評価システムの研究開発
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22760059
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡辺 知規 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50323431)
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Keywords | 数理工学 / アルゴリズム / 応用数学 / 機械材料・材料力学 / 超音波探傷 |
Research Abstract |
本研究の目的は,構造物の非破壊検査での諸問題に,新たに数理工学的観点からアプローチをして,今までに無い簡便化,高精度・高効率化の技術を非破壊検査にもたらすことである.具体的には,非線形可積分系理論や数理計画法をはじめとする数理工学での最新研究成果を駆使して,利便性に優れた新しい構造物健全性評価システムの研究開発を行なうことである.今年度は研究の第二段階として,対象とする材料に探傷のための機器をどのように配置し,どのような順序で探傷を行なえばよいのかといった探傷のための装置の仕組や欠陥探索アルゴリズム等の計測システムを数理計画法等を積極的に応用することによって構築し,従来の探傷方法に適切な効率化をもたらすことを目指した.今年度は,実際に,探傷の際の,探査点の選定方法と探査手順に着目をし,巡回セールスマン問題やシミュレーティド・アニーリングなどを応用することにより,従来の超音波探傷法に対して簡便で高効率な探傷方法を提案することができた.この結果については,学会の講演にて発表し,さらに,査読付論文として既に投稿を行った.また,この研究を遂行していくうえで,昨年度と同様に,他の物理系との数理的アナロジーも発見し,実際に研究過程の中で駆使した数理手法を他の物理系に応用することにより,副産物として,当該分野にて意義のある結果が得られ,論文として投稿することができた.また逆に,この副産物を得る過程から本来の数理手法の進展も得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の成果を,学術論文2本(出版1本と投稿中1本),学会発表4件として公表することができたから.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は,おおむね順調に進展している.したがって,当初の計画通りに着実に遂行することを今後の推進方策とする.
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