2010 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素法を用いた粒子分散型複合材料のころがり疲労特性の解明
Project/Area Number |
22760067
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
神田 康行 琉球大学, 工学部, 助教 (10468069)
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Keywords | 計算力学 / 機械材料・材料力学 / 複合材料・物性 / トライボロジー |
Research Abstract |
本研究は,放電プラズマ焼結法より作製したアルミニウム合金を母材,産業廃棄物であるアルミサッシの表面処理の段階で発生するアルマイトスラッジに熱処理を施しαアルミナに結晶構造を変化させたαアルミナスラッジ(以降,スラッジ)を第二相とした粒子分散型複合材料のころがり摩耗試験結果を元にして,有限要素法によりヘルツ接触圧力下での破壊力学解析を行い,本複合材料の第二相がき裂進展に与える影響について検討することで,粒子分散型複合材料のころがり疲労特性を解明することを目的としている.本年度は,ころがり摩耗試験を行うとともに,有限要素法による破壊力学解析プログラムの作成を行った.ころがり摩耗試験については,現段階においてほぼ区切りがついているが,き裂発生や進展状況を詳細に観察するために来年度も継続して行う予定をしている.数値計算プログラムについては,弾性応力解析プログラムと仮想き裂閉口積分法に基づく破壊力学パラメータ算出プログラムの作成を行った.そして,現段階までの実験結果を基にして本年度で作成した有限要素法による破壊力学プログラムより,本実験の粒子分散型複合材料をモデル化し,スラッジがき裂進展に与える影響について検討を行った.その結果,き裂先端近傍にスラッジが存在するとモードII成分の応力拡大係数がアルミニウム合金のみよりも減少することがわかった.また,これまでの研究成果について論文執筆および学会発表を行った.来年度以降は,本年度で作成したプログラムを整備すると同時に,本実験結果と有限要素法による破壊力学解析結果を比較・検討することを予定している.
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Research Products
(2 results)