2011 Fiscal Year Annual Research Report
自動車触媒のマルチスケール経時劣化シミュレータの開発
Project/Area Number |
22760069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 愛 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40463781)
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Keywords | 自動車触媒 / 劣化 / シンタリング / シミュレーション / マルチスケール / 粒子成長 / 貴金属 / 担体 |
Research Abstract |
「研究の目的」自動車の排気浄化に関して走行パターンや、使用年数、気候、常時燃焼する燃油成分の性質などの使用条件が浄化性能に大きく影響する。これらの因子と自動車触媒の浄化性能との因果関係を理解する事は実験的にも理論的にも困難であるため、本研究では、自動車触媒の劣化状態を経時的に予測するシミュレータを開発し、適用可能性を実証後、経時特性に基づいた新規排気浄化触媒を開発することを目的とした。 「研究実施計画」自動車触媒内部の反応ガスの流れはウォッシュコート内部の形状に依存して異なり、さらに、反応に寄与しない貴金属群も存在する為、数多くの分子が交絡する吸着・脱離・表面反応から構成される浄化反応に及ぼすウォッシュコートの設計の影響は甚だ大きい.この為、ウォッシュコート表面形状の影響と貴金属の利用状態を評価可能とする事を目的とし、ウォッシュコート内部構造の、反応ガス成分の拡散流れ算出シミュレータを構築する。格子点のモンテカルロ法によるランダムウォークからガス拡散の屈曲度が算出できるようになっており、モデルを格子状に分割し、格子点をモンテカルロ法で触媒の入り口から出口へとガス移動距離を、完全気相のみの場合と比較、Lp/Ln比を屈曲度として、反応ガス成分拡散係数へ反映、定量評価する手法を開発した。触媒劣化の経時予測は、劣化特性が既知の貴金属-担体の様々な組み合わせに適用し、代表的セラミクス材料の劣化耐久試験結果と比較し検証した。具体的には、Pt、Rh、Pd担持セリア、さらに担体のみのモデルについても実験との検証を進め、開発したシミュレータの計算精度、妥当性、適用範囲を検証した。
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