2010 Fiscal Year Annual Research Report
高精度三次元形状・変形計測を実現する高次元情報を用いた時空間位相シフト法の開発
Project/Area Number |
22760071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 志遠 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70509710)
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Keywords | 時空間位相シフト法 / 位相解析 / 高次元情報 / 形状変形計測 / 格子投影法 / FLCOS素子 / 離散フーリエ変換 / サンプリングモアレ法 |
Research Abstract |
初年度は開発する時空間位相シフト法の基礎原理の確立と計測システムの構築を中心に申請時に計画した研究を遂行し、以下の研究成果を得た。まず高精度な三次元形状・変形計測が可能な時空間位相シフト法を新たに開発した。 撮影された複数枚の縞画像を時系列に並べた三次元空間の縞画像を用いて高精度に格子の位相を算出できるアルゴリズムを考案した。この手法は複数枚の位相がシフトした投影格子に対して、空間的かつ時間的に存在する縞の輝度情報を活用したランダムノイズに強い位相解析手法であり、研究代表者がこれまで開発した空間的位相解析手法であるサンプリングモアレ法をさらに発展させたものである。また時空間位相シフト法と従来の位相シフト法についてランダムノイズを付与した際に発生する計測誤差の理論式の導出に成功した。シミュレーションより理論式の妥当性および時空間位相シフト法の有効性を確認した。加えて、様々な解析条件下に対する本開発手法の精度を検討し、時空間位相シフトにおける最適な解析条件を見出した。 次に計測システムを構築した。特に市販されている従来の透過型液晶素子の代わりに、強磁性反射型液晶素子であるFLCOS素子を採用することで、高開口率で非線形性のない正弦波または余弦波の輝度分布をもつ格子模様を投影することができた。その結果、安定した形状・変形計測が行えることを実験より確認した。初年度の目標であった計測原理の確立とシステム構築を達成し、次年度に予定しているミリスケール寸法の物体のミクロン精度の三次元形状計測とマイクロスケール寸法の構造体のサブミクロン変形計測を達成できる見通しがついた。
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Research Products
(4 results)