2010 Fiscal Year Annual Research Report
天然繊維強化バイオマスプラスチックの疲労機構の解明
Project/Area Number |
22760072
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島村 佳伸 静岡大学, 工学部, 准教授 (80272673)
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Keywords | 複合材料 / 天然繊維 / バイオマスプラスチック / 疲労特性 / 疲労機構 |
Research Abstract |
天然繊維強化バイオマスプラスチックの疲労特性の本質を理解する上で重要な疲労機構を明らかにしていくには,単繊維,単繊維をつむいだ紡績糸,それをよりあわせた撚糸,母材のバイオマスプラスチック,複合材料のすべての材料構造レベルにおいて系統的に疲労機構を解明していく必要がある.しかし天然繊維強化バイオマスプラスチックの疲労機構に関しては未解明の部分があまりに多いため,すべてを研究期間内に実施するのは不可能である.そのため,本研究ではまず,複合材料の強度発現において最も重要な繊維の疲労強度特性の取得と疲労機構の解明に重点をおくこととし,さらに,素材単体の疲労強度特性,疲労機構が一方向繊維強化複合材料の疲労強度特性,疲労機構に及ぼす影響に着目して研究を実施する.初年度は,ジュート麻紡績糸/ポリ乳酸複合材料の疲労試験を実施するとともに,ジュート麻単繊維の疲労試験法の確立と予備試験を実施した.その結果,複合材料の10^7回疲労強度/引張強度比は50~60%であることを明らかにした.これは,ガラス繊維強化プラスチックと同程度である.これに対し,ジュート麻単体の疲労試験の予備試験結果は,その疲労強度/引張強度比が約80%と優れた耐疲労性を有することを示唆した.この複合材料と単繊維の耐疲労性の違いの原因について,破壊機構の観点から検討を行なった.その結果,脆性的なポリ乳酸の疲労き裂発生が,複合材料の耐疲労性の低下をもたらしていることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)