2011 Fiscal Year Annual Research Report
天然繊維強化バイオマスプラスチックの疲労機構の解明
Project/Area Number |
22760072
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島村 佳伸 静岡大学, 工学部, 准教授 (80272673)
|
Keywords | 機械材料・材料力学 / 複合材料 / バイオマス |
Research Abstract |
天然繊維強化バイオマスプラスチックの疲労特性の本質を理解する上で重要な疲労機構を明らかにしていくには,単繊維,単繊維をつむいだ紡績糸,それをよりあわせた撚糸,母材のバイオマスプラスチック,複合材料のすべての材料構造レベルにおいて系統的に疲労機構を解明していく必要がある.そこで本年度は,材料構造レベル別疲労試験による疲労強度特性の取得を実施した. 1.一方向撚糸強化複合材料の疲労強度特性の取得 油圧式疲労試験機を用いて,一方向撚糸強化PBS複合材料の疲労試験を実施し,それらの疲労強度特性を取得するとともに,一方向撚糸強化PLA複合材料の結果と比較検討を行なった.その結果,延性的なPBSを用いた複合材料の場合には,脆性的なPLAを用いた複合材料より高い疲労強度が得られることを明らかにした. 2.単繊維の疲労強度特性の取得 ジュート単繊維の疲労試験を実施した.その結果,繊維引張強度の標準偏差以下での疲労破断事例は極めて少なく,単繊維自体の疲労強度は十分高いことを示唆する結果が得られた. (3)PBSの疲労強度特性の取得 PBSの試験片を小型射出成形機で作製し,その疲労強度特性を油圧式疲労試験機を用いて取得した.その結果,ひずみ振幅で考えた場合,複合材料に比べて十分に高い疲労強度を有しており,複合材料化した場合に母材からの疲労き裂発生はないことをあきらかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的ならびに研究実施計画がほぼ順調に達成できていることから(2)と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
より構造の影響に関しては,主に解析的に検討を進めることとし,実験面では,疲労強度のさらなる向上をはかるため,天然繊維のアルカリ処理の影響を実施したものを複合材料化して疲労試験を実施していくこととする.
|
Research Products
(4 results)