2012 Fiscal Year Annual Research Report
cross-ply構造を利用した高密着力を有する炭素系硬質薄膜被覆部材の創製
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22760079
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
曙 紘之 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50447215)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 炭素系硬質薄膜 / 耐久性 / 密着性 |
Research Abstract |
炭素系硬質薄膜技術(Carbon Thin Film : CTF)は地球環境問題へ大きく貢献が期待される成膜技術であるが,常にその「密着性」が懸念されている.そこで本研究では,比較的軟質なCTF層(中間層)と,比較的硬質なCTF層をcross-ply構造を利用し3次元的に成膜することにより,従来のCTF被覆部材よりも高い密着性,耐久性を発揮する炭素系硬質薄膜被覆部材の創製を目指した. まず,cross-ply構造1層のみ成膜した試験片作成を試み,その様相を微視的観察することにより,提案した3次元cross-ply構造成膜が可能であることを確認した.次に,上述したcross-ply層を3層,および6層積層した2種類のCTF被覆試験片を作製し,繰返し負荷を与えることによりその耐久性を評価した結果,3層cross-ply試験片は,従来のCTF被覆部材に比べ,3倍程度高い耐久性を示すことが確認された.しかしながら,6層cross-ply試験片の耐久性は,従来のCTF被覆部材に比べ低いものとなった.この要因について,詳細なその場微視的観察を行った結果,3層cross-ply試験片は,繰返し負荷に対して,微視的剥離が発生しにくいことが明らかとなり,また6層cross-ply試験片は,被膜厚さの増大に伴う内部応力が増大したことにより,比較的早期に界面剥離が生じていることが明らかとなった. 以上の実験的検討より,本研究で提案した3次元cross-ply構造を有するCTF被覆部材は,従来の被覆部材に比べ,極めて高い耐久性を示すことから,実機への応用が期待される成膜技術であるといえる.しかしながら,より高い耐久性を発現するためには,CTF被膜の厚膜化は必須課題であり,本研究においては良好な結果を発現することができなかった6層cross-ply試験片の実現が今後の課題であるといえる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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