2010 Fiscal Year Annual Research Report
遮熱コーティングの高温焼結中における全方向弾性係数の共鳴超音波その場計測
Project/Area Number |
22760088
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
脇 裕之 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (30324825)
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Keywords | 遮熱コーティング / 弾性係数 / 共鳴超音波スペクトロスコピー / 焼結 / プラズマ溶射 / 高温強度 |
Research Abstract |
弾性係数は,熱応力,残留応力などの強度評価パラメータの算出に必要な物性値であり,遮熱コーティングの設計に不可欠である.本研究では,遮熱コーティングの高温焼結中の全方向の弾性係数を評価可能な共鳴超音波計測システムを構築するとともに,焼結中の全方向の弾性係数の値とその変化挙動を明らかにすること,さらにその弾性変化に基づいたコーティングの設計指針を導出することを目的とした.本年度の研究成果は主に以下の2つに大別できる. 1.高温その場共鳴超音波計測システムの構築 高周波誘導加熱と加熱体からの輻射熱による間接加熱で,非導電性のジルコニア遮熱コーティングについても1100℃まで均温加熱可能な高温その場共鳴超音波計測システムを構築した.共鳴と振動モードの検出は,レーザードップラー振動計で行い,加熱体の小型化とレーザー計測経路の冷却により,レーザー熱揺らぎを軽減することができ1100℃までの全方向弾性係数計測を可能とした. 2.遮熱コーティングの高温焼結中の全方向弾性係数計測 ジルコニア遮熱コーティングについて常温から1100℃までの全方向弾性係数の温度依存を明らかにした.面内等方性の弾性異方性を仮定し,独立な全て(5つ)の弾性係数を明らかにした.溶射まま皮膜では,約800℃を超えるとヤング率が上昇し始め,約1000℃を超えると急にヤング率が上昇することが分かった.このように試験の雰囲気温度で焼結が進むことが分かった.また事前に熱処理を施すことで,常温でも高いヤング率を呈し,溶射まま皮膜でみられた雰囲気温度での焼結挙動は見られなくなることも分かった.
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