2012 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビーム併用による多機能薄膜評価技術の開発とPLD膜生成プロセス解明への展開
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22760090
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
白木原 香織 鈴鹿工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (90435602)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | レーザーアブレーション / 小型PLD製膜装置 / 高機能薄膜生成 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高機能薄膜アクチュエータ開発を見据えた,低環境負荷型機能性薄膜の創生および中性子線を用いた材料特性評価技術の確立である.昨年度は,機能共生・多機能材料の組み合わせとして,高感度かつ応答性が良好である圧電セラミックス(PZT)と大きなアクチュエーションひずみの発生が期待できる形状記憶合金(TiNi系)を検討し,TiNiの組成制御には基盤とターゲットとの距離や製膜時間が影響することを見出した.本年度は以下の検討を行った. ・形状記憶合金(精密鋳造TiNi)薄膜の組成制御 ターゲットとしてTiNi合金バルク材を用いた場合においても,薄膜組成がターゲット組成とはわずかに異なることから,より容易な組成調整を目的として,TiおよびNi単相を製膜行程において積層し,熱処理を施すことを試みた.ターゲットのTi,Ni単相面積比が1の場合には,明らかにNi相の堆積率が大きくなったため,ターゲット比率を変化させて,ターゲット面積比と膜組成比の関係性を明らかにすることを目指したが,予測曲線を示すまでの相関性を得ることができなかった. また,室温中での製膜ではアモルファス相で製膜され,製膜後600度以上で真空加熱処理を行うことで結晶化処理が可能であることを明らかにしたが,基盤温度を300度に保持した環境で製膜処理を行うと,結晶化温度以下であるにも関わらず結晶相が創生できることを確認した.今後,常温製膜後に熱処理を施した膜と,常温雰囲気で高温基板上に製膜した膜の粒径や結晶構造を詳細に調べ,形状記憶効果の高い,形状記憶合金薄膜アクチュエータ設計の指針を提案を目指していく.
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