2011 Fiscal Year Annual Research Report
放電加工法による機能性セラミックスの工具運動包絡体の実現に関する研究
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22760093
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 啓光 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教 (90389718)
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Keywords | 放電加工 / セラミックス / 補助電極 / 放電創成加工 |
Research Abstract |
本研究ではセラミックスに対する放電創成加工技術を確立することを目的としている。当該年度は放電創成加工用の特殊制御としてサーフェストレースフィードバック制御システムを考案して実施した。この制御方式は、縦軸方向にサーボ制御を行いながら加工した場合、電極の長さ方向の消耗によって生じる加工面のうねりを電極の変位情報(加工面の変位情報)をステージの走査速度にフィードバックすることで、解消しようとするものである。加工中の電極変位状態を検出して変位値を微分しその変化率がプラス側の場合はステージの走査速度を遅くし、逆にマイナス側の場合はステージの走査速度を早くするように制御する。この制御を行いながら、走査放電加工を繰り返すことで、能動的な加工面の平滑化を試みた。しかしながら、電極の長さ方向の消耗を一定にすることが困難であり形状の崩れを解消するには至っていない。 そこで、電極形状を工夫することで形状の崩れに対する解決法を検討した。一般に形彫放電加工は加工に伴い、電極が消耗するため加工形状が崩れる。一方で、ワイヤ放電加工法では常に新しい電極が送られてくるため、実質的に電極の消耗を無視することが出来る。そこで、放電創成加工用電極として電極にワイヤを用いる回動ワイヤガイドによる放電加工法を考案した。先端が半球形状の円筒ガイドの外周に溝を設け、その溝にそって切刃となるワイヤを走行させ、回動(正逆両方向に往復円運動)させながら走査し、形状加工を行う走査ワイヤ放電加工法を開発した。また、開発した加工手法を用いて超硬材料に対する放電加工を実施し、本手法の有用性を確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初検討していた制御手法では完全に補正することが困難であったが,電極の消耗を根本的に無視することが出来る加工手法を考案することが出来た.この手法を用いることで,一般的な超硬合金などのような難加工性材料に対する放電加工の他、セラミックスに対する放電創成加工においても電極の消耗を実質的にゼロにすることが可能となる.
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Strategy for Future Research Activity |
開発した加工手法を絶縁性セラミックスに適用することで,電極の消耗を考慮することなく形状加工が実現できる放電創成加工法を検討する.
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Research Products
(5 results)