Research Abstract |
紫外線パルスレーザを照射した時,ある条件で,ガラス,シリコン,金属に対して従来に比べ約半分の細さ(φ7μm)で約2倍の高アスペクト比(100以上)の穴あけが可能になる現象がある.この現象について,ビームプロファイルの解析,溶融飛散物の観察などを通して,そのメカニズムを明らかにし,アスペクト比をより高めることを目的としている. 本年は,加工中の様子の観察を行った.高速度カメラを用いて,観察用の光学系を構築した.自発光するプラズマの状況の観察を行い,生成するプラズマの領域,時間などを明らかにした.その結果,プラズマの発光はレーザ照射後1マイクロ秒程度の間確認できた.また,穴の深さが異なる場合の発光の強度,領域などを明らかにした. さらに自発光しない溶融飛散物の観察のために,光源用レーザの光学系のセッティング,同期用の回路作製などを行った.しかし,現状溶融飛散物の観察は実現出来ていない.光源用のレーザの同期タイミング,観察用カメラの倍率など調整し,観察を行うことが来年度の課題である. さらに,発光分析を行った.加工中の発光をレンズで集光,光ファイバを使ってポリクロメータをセットし,レーザ光と同期させ計測を行った.その結果,穴が浅く,プラズマが穴開口部出て大きく拡がっている場合と,穴が深く,プラズマが穴の内部に閉じ込められている場合とで,発光スペクトルを比較し,このスペクトルから温度や密度などを推定した.
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