2010 Fiscal Year Annual Research Report
動剛性の異方性を積極的に利用するびびり振動抑制法の提案
Project/Area Number |
22760097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 教和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00359754)
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Keywords | びびり振動 / 切削 / 中ぐり加工 / 旋削加工 / 不安定振動 |
Research Abstract |
機械構造の動剛性の異方性を積極的に利用して切削プロセスにおける見かけの動剛性を無限大化することで,劇的にびびり振動に対する安定性を向上する手法を提案する.本研究では,びびり振動が特に問題となりやすい中ぐり加工プロセスを対象とし,中ぐり工具の振動モード設計により所望の異方性伝達特性となるように調整することで見かけの動剛性を向上し,機械構造の本来の剛性に反して飛躍的に安定限界を拡大し得る新しい手法の実現を目指している.具体的には以下の検討を行った. (1)予備検討により簡易的に設計した工具に対して,インサートやその他の微細な形状を考慮する高精度なFEM解析を開発した.さらに,実際に試作し振動特性を評価したところ,共振周波数は推定通りに設計できるが,コンプライアンスの絶対値は解析による推定と誤差があり,簡易的な方法ではこの修正が困難であることを確認した.そこで,根本的な形状を再設計し,より単純な構造で所望の特性を実現できる中ぐり工具を設計した.さらに,解析および振動評価を行った結果,新たに設計した工具では提案手法を実現し得る可能性があることを確認した. (2)中ぐり工具におけるびびり振動解析モデルの高精度化について検討を行った.この検討により,3次元的な運動を扱う解析モデルに対する拡張を行い,刃先形状や切削プロセスの考慮が可能となった.さらに,機械構造の動的な運動と材料物性を考慮する刃先逃げ面と工作物の接触モデルを新たに考案し,低速度領域におけるプロセスダンピングを考慮した安定限界解析を実現する解析モデルの開発を行った.
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Research Products
(12 results)