2010 Fiscal Year Annual Research Report
導電性ダイヤモンドを原料とする新PCD工具の開発とその加工法に関する研究
Project/Area Number |
22760102
|
Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
二ノ宮 進一 日本工業大学, 工学部, 准教授 (80453950)
|
Keywords | 機械工作・生産工学 / 材料加工・処理 / 精密部品加工 |
Research Abstract |
本研究では,優れた工具特性を持ちながら,良好な被加工性を兼ね備えた新しいPCD工具の開発とその加工法の確立を目的とする.ボロンをドープして導電性を持たせたダイヤモンド粒子を原料とした新PCD (EC-PCD)を利用し,放電複合研削によって高能率に高品位な加工を実現する.飛躍的に導電性を向上させたPCD素材に対し,放電除去を援用しながら研削除去することによって,従来問題視されているPCD工具の仕上げ成形時の研削加工の諸問題(切れ味不足,目つぶれ,高研削抵抗,低研削比,極低能率,高コストなど)を解決する. 当該年度の研究において,まずはEC-PCDの基本放電加工特性を調査し,形彫り放電加工において既存のPCDと比較して優れた放電加工能率および被加工面粗さを呈すること,ならびにEC-PCDは幅広い放電加工条件に対応できることを明らかにした.また,回転銅電極を用いた放電研削加工を行うことで,放電屑排出性の向上効果により被加工面粗さの改善効果が得られること,電極消耗率を大幅に低減できることを明らかにした.さらに,メタルボンドダイヤモンドホイールを用いたEC-PCDの放電複合研削加工を行い,放電除去作用と研削除去作用を併用することによって,超難加工材とされるPCDの高能率・高品位加工を実現できる指針を得た.この放電複合研削法は,EC-PCD製工具や金型を成形する際に有用な技術となることが期待される.今後,EC-PCDのさらなる加工能率向上条件の探求および放電複合加工メカニズムの検討を実施する予定である.
|