2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22760104
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
坂元 博昭 立命館大学, 総合理工学研究機構, ポストドクトラルフェロー (70552454)
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Keywords | 血漿分離 / 微細加工 / アクリル成形 / μ-TAS / 毛細管力 / マイクロ流路 / 表面修飾 |
Research Abstract |
本研究課題では、外部駆動力を必要としないポンプレス血漿分離チップの開発を目的とした。 これまでに報告されている血漿分離マイクロ流路は、遠心力、誘電泳動、ポンプ圧を駆動力としているが申請者が提案する血漿分離チップは、毛細管力を利用する。毛細管力を利用することにより外部駆動力(シリンジポンプ、チューブ、電源など)を必要としないオンサイト分析チップが実現する。 平成22年度までに、血漿分離チップの設計・作製そして評価を行った。赤血球の大きさ(直径7μm、高さ2μm)に対し、L/S=2/12μmアスペクト比1の構造体を作製した。 平成23年度は、作成したデバイス表面への化学修飾および血漿分離評価を行った。血漿分離効率・時間を向上させるために、材料表面の改質に着目して研究を行った。毛細管力は材料表面の濡れ性が高いほど、増加すると考えられる。そこで、材料表面を親水化処理することによって毛細管力の向上を図った。材料表面に酸素プラズマ処理およびUV照射を行い、材料表面を活性化させた(J,Chai,et. al., Langmuir, 20,10919-10927,(2004))。さらに、赤血球の表面電荷はマイナスに帯電していることが知られているため、側鎖にカチオン性アミノ基を有したpoly-L-リジンを材料表面へ吸着させ、静電吸着による血漿分離高効率化を試みた。血漿分離評価を行った結果、流路の深さがマイクロメートルの流路が最も高効率に分離できることを見出した。これは、流路表面へ最適な親水化処理を施した場合にのみ分離可能であり、その血漿分離能は、1分間に200ナノリットルであった。本研究で提案するチップは、毛細管力を送液駆動力としているため、ポンプ、チューブ、電源といった外部装置が不要である。したがって、オンサイトで様々な状況における血液診断への要素技術になると考えられる。
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Research Products
(2 results)