2011 Fiscal Year Annual Research Report
レオロジー解析によるCVTの新設計方法:シャフトドライブCVTの動力伝達性能向上
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22760108
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
成田 幸仁 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90431519)
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Keywords | 機械機能要素 / トライボロジー / 設計工学 |
Research Abstract |
本研究はトラクションドライブを用いた平行軸間で動力伝達を行うシャフトドライブCVTの動力伝達性能向上に関するものであり,それを通して種々のCVTの高性能化に関する設計方法を確立する.CVTの設計には,機械要素,トライボロジー,設計工学等の高度な融合が必要であり,本研究の推進によりそれらの学術分野の発展への寄与が期待できる.社会的には,環境対策へ貢献するための自動車の燃費向上を目指している.本研究では,表面粗さ突起の干渉及びすべりの分担率を考慮したレオロジー解析手法により,トラクション油膜のせん断力を高精度に算出する手法を開発する.これを適用して,トラクション油膜のせん断力を無駄なく利用できる転動体形状と動力伝達経路の新設計方法を確立する.これにより,設計段階でのCVTの性能予測や最適設計による性能向上が可能になる.上記設計方法をシャフトドライブCVTの設計に適用し,動力伝達性能の向上を図る. 複数の転動体を有するトラクションドライブCVTでは,各転動体間の接触状態が異なるために,そこで生じる微小すべりに差がある.本年度は,この微小すべりの差に着目したトルク容量計算方法を確立し,これまでの研究で得られた実験結果と比較することで計算方法の妥当性を確認した.さらに,このトルク容量計算方法を適用してトラクションドライブCVTの新しい動力伝達経路設計方法を考案した。これをシャフトドライブCVTに適用して動力伝達経路を改良し,これまで不完全であったバックアップローラ機構のトルク分配機能を完全なものにした.この改良によって,トルク容量がこれまでの2倍に向上することを,計算と実験の両面により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初計画通りに進展しており,未着手の項目は無い.また,研究成果や研究業績も当初予測に近いものが得られている.以上より,(2)おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており,今後も当初計画通りに遂行する.具体的には,動力伝達経路を改良したシャフトドライブCVTに動力損失の原因となるスピンが発生しない新しい転動体を同時適用してトルク容量と動力伝達効率の計算と実験を行い,油膜のレオロジーに基づくトラクションドライブの新しい設計方法の有効性を証明する.
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Research Products
(2 results)