2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 一浩 京都大学, 工学研究科, 助教 (90314228)
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Keywords | トポロジー最適化 / 熱電素子 / 熱変形 / 変形制御 / 最適設計 |
Research Abstract |
工作機械に代表される位置決め機構を持つ機械製品では,駆動装置や加工点から発生する熱,あるいは,環境温度の変動が原因となって構造部材に熱変形が生じ,その結果,位置決め精度が悪化する問題がある.このような問題を,局所的な装置で解決するために,熱電素子を用いた構造変形制御システムの利用が有望である.そこで本研究では,高性能な構造変形制御システムを効率的に設計するための最適設計法の構築を行う.熱電素子を用いた変位制御機構を数値解析するためには,電気,熱,変位に関する連成問題を解く必要がある.このために,外部熱源によりある境界において熱が流入しているとき,熱電素子に通電したときの加熱及び冷却効果によってある境界における変位を抑制することを考える.そして電流の保存側,電気と熱のエネルギー保存側,熱弾性体の仮想仕事の原理の式に基づく3つの平衡方程式を解くことで,熱変位を求めることができる. 熱変位を抑制する機構の最適設計を構築する予備的検討として,熱変形を積極的にアクチュエータとして利用するために熱変形を最大化を行う場合を考える.これには,トポロジー最適化問題の目的汎関数を,相互エネルギーに基づいて以下のように定式化し,この汎関数Fを最小化することで,大きな変位を持つアクチュエータの構造が得られることを確認できた.これに対し,本研究では逆に熱変形を最小化することが求められる.これに対して,変位を抑制するために,変位のノルムを最小化する検討を行った.
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